最有効使用というのは、鑑定評価書に必ず記載すべき事項のことです。

不動産のなかでも特に土地は、不動性、個別性といった物理的特性を持つ反面、その用途には多様性があります。

例えば、ある土地に対して需要が競合する場合、土地は一般に希少性がありますので、最大の利潤を上げうる需要者の提示する最高価格により価格が決定される傾向があります。

つまり、これは、不動産の価格というのは、その不動産の持っている効用が最高に発揮されるような使用を前提として成立することを示しています。

もちろん、最有効使用といっても、それは客観的に良識と通常の使用能力を持つ人の合理的かつ合法的な最善の使用を意味します。

最有効使用の原則というのは、不動産の価格は、一般に最有効使用を前提として把握される価格を標準として形成されるとするものです。

ちなみに、この最有効使用の原則は、鑑定評価理論における11の価格原則の中でも重要なものといえます。